2021.1.19 プレスリリースを配信しました
青木涼子とドイツの現代音楽アンサンブル・ムジークファブリークによる「能声楽奉納」
横浜三渓園とケルンを繋ぎ、エトヴェシュ「くちづけ」のリモート演奏をYouTubeライブ配信
能声楽家・青木涼子による新型コロナウイルス終息祈願「能声楽奉納」YouTubeライブを開催します。第5回「ドイツのために」は2021年2月19日に、ドイツのケルンが本拠地の現代音楽の最高峰グループ、アンサンブル・ムジークファブリークと共にハンガリーの著名な作曲家・指揮者であるペーテル・エトヴェシュが青木涼子のために作曲した「くちづけ」を奉納演奏します。ドイツ国内でも感染が深刻化し、アンサンブル・ムジークファブリークも観客を入れての公演の中止を余儀なくされています。
2019年9月にベルリン・フィルハーモニーホールにてエトヴェシュの指揮のもと、青木涼子とムジークファブリークは同曲を演奏しました。「くちづけ」はイタリアの小説家アレッサンドロ・バリッコによるベストセラー小説『絹』を基にした作品で、日本語台本は平田オリザが手がけています。小説『絹』は幕末にフランスで蚕に流行病が発生したため、フランス人商人が絹を求めて日本に訪れる話で、富岡製糸場を思わせる背景になっています。三溪園を造った原三溪は36年間富岡製糸場の経営に携わりました。また絹の輸出は横浜へ富をもたらし、今の発展へと繋がっています。作品のテーマにちなみ「絹」と縁が深い横浜、三渓園とケルンをつないで配信します。
2019/9/8 ペーテル・エトヴェシュ「くちづけ」ベルリン・フィルハーモニーホール
青木涼子、アンサンブル・ムジークファブリーク、ペーテル・エトヴェシュ
Photo : Adam Janisch
本企画は青木涼子が世界の現代音楽の作曲家たちと共に発表してきた祈りの芸能ともいえる「能」の謡の曲を、主な活動拠点とするヨーロッパの作曲家や演奏家の暮らす国の人々に向けてオンライン奉納演奏を行うシリーズです。新型コロナウイルスの感染拡大により世界でロックダウンや外出自粛が行われていた2020年5月に開始しました。青木涼子は日本から、演奏家は自国から参加するリアルタイムのリモート演奏をYouTubeライブで配信します。これまでにイタリア、フランス、スペイン、オランダに向けて行い、合計で5,700回視聴されました。(2021/1/19現在)
なお、国内外の感染状況の変化に伴う規制による公演の変更や延期、中止になる場合があります。
〈公演概要〉
第5回 新型コロナウィルス終息祈願「能声楽奉納」ドイツのために
日時:2021年2月19日(金)19:00-19:20(日本)11:00-11:20(CET)
場所:横浜 三渓園 旧燈明寺本堂[重要文化財]/ スタジオ・アンサンブル・ムジークファブリーク
曲目:ペーテル・エトヴェシュ「くちづけ」
出演:青木涼子(能声楽・横浜)Mariano Chiacchiarini指揮、アンサンブル・ムジークファブリーク(管弦楽・ケルン)ペーテル・エトヴェシュ(作曲・ブダペスト)
テクニカル・ディレクション/ライブストリーム:LUFTZUG
助成:神奈川県文化芸術活動再開加速化事業補助金
協力:ゲーテ・インスティトゥート東京、三渓園、AMATI
視聴用URL:https://youtu.be/X2yIQnM_Z2w
視聴料:無料 PeatixとPayPalで支援金を受付
Peatix https://honohforgermany.peatix.com/
PayPal https://www.paypal.me/nohvoicemusic
出演者プロフィール
Photo : Hiroaki Seo
青木涼子(能声楽家)
世界の主要な現代音楽の作曲家と共に、能の声楽である「謡」を素材にした新しい楽曲を発表している。これまでにペーテル・エトヴェシュ、細川俊夫など19ヵ国50人を超える作曲家が楽曲を提供しており、世界15ヵ国にてオーケストラとの共演、オペラ出演を行っている。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団、アンサンブル・アンテルコンタンポランなどのトップオーケストラと共演。パリの秋芸術祭、ムジークフェストベルリン、バルトーク・フェスティバルなどの音楽祭への参加や、コンセルトヘボウ、ベルリン・フィルハーモニー、フィルハーモニー・ド・パリなどの主要なホールに出演するなど、世界的な活躍をしている。東京藝術大学音楽研究科修士課程修了(能楽観世流シテ方専攻)。ロンドン大学博士課程修了。平成27年度文化庁文化交流使。2019年度第11回「創造する伝統賞」受賞。AMATI所属。
青木涼子公式ホームページ https://ryokoaoki.net/
Twitter https://twitter.com/ryoooaoki
Instagram https://instagram.com/ryoooaoki
YouTube https://www.youtube.com/c/RyokoAoki
Photo : Katharina Dubno, Lightdesign : Joscha Brück
アンサンブル・ムジークファブリーク(管弦楽)
世界の現代音楽を牽引するアンサンブルの一つ。1990年に創立され、ドイツ、ケルンを本拠地としている。ムジークファブリークは、名前の通り、特に芸術的な革新に焦点を当てた活動をしている。年に80回のコンサートをドイツと海外で行い、ケルンのWDRで行う「Musikfabrik in WDR」という定期公演、定期的なラジオの録音、CD出版も行っている。ムジークファブリークはノルトライン=ヴェストファーレン州より助成を受けており、Kunststiftung NRW(ドイツの州ノルトラインヴェストファーレン州政府によって設立された財団)が定期公演「Musikfabrik in WDR」を支援している。
公式ホームページ https://www.musikfabrik.eu/en
Photo : Marco Borggreve
ペーテル・エトヴェシュ(作曲家)
作曲家/指揮者。1944年、当時ハンガリー領だったトランシルヴァニア地方のセーケィウドヴァルヘイ生まれ。国際的に活躍する指揮者として、また世界の著名アーティストのためにオペラ、オーケストラ作品を書く作曲家として、最も重要で、影響力のある人物の一人として知られている。また、カールスルーエ音楽大学教授、ケルン音楽大学教授を歴任したほか、1991年に「国際エトヴェシュ・インスティテュート」、2004年に「エトヴェシュ現代音楽財団」を設立し、若い作曲家と指揮者のためのマスタークラスを行うなど、教育者としても熱心な活動を続けている。指揮者としても、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ミラノ・スカラ座、ロイヤル・オペラ・ハウスなど、世界の主要オーケストラ・歌劇場に定期的に客演している。これまでにバルトーク賞(1997)、フランス批評家大賞(1998)、ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ音楽賞(2002)、カンヌ音楽祭「ベスト・リヴィング・コンポーザー」(2004)、モナコ・プリンス・ピエール財団作曲賞(2008)など受賞多数。
公式ホームページ https://eotvospeter.com
〈参考:第1-4回公演概要〉
第1回 新型コロナウイルス終息祈願「能声楽奉納」イタリアのために
日時:2020年5月30日(土) 18:00-18:15(日本)11:00-11:15(CET)
曲目:フェデリコ・ガルデッラ「風の声」
出演:青木涼子(能声楽・東京)斎藤和志(フルート・東京)フェデリコ・ガルデッラ(作曲・ミラノ)
アーカイブ動画:https://youtu.be/Fgj8S7Fz4pc
第2回 新型コロナウイルス終息祈願「能声楽奉納」フランスのために
日時:2020年7月4日(土)19:30-19:50(日本)12:30-12:50(CET)
曲目:馬場法子「Nopera AOI葵」
出演:青木涼子(能声楽・東京)斎藤和志(フルート・東京)畑中明香(打楽器・京都)馬場法子(作曲・パリ)
アーカイブ動画:https://youtu.be/5vt-MpzN2r8
第3回 新型コロナウイルス終息祈願「能声楽奉納」スペインのために
日時:2020年7月11日(土)18:00-18:15(日本)11:00-11:15(CET)
曲目:ブルーノ・ドッツァ「エウリディーチェ」
出演:青木涼子(能声楽・東京)アルド・マタ(チェロ・マドリード)ブルーノ・ドッツァ(作曲・マドリード)
アーカイブ動画:https://youtu.be/BZOJNLq9XR0
第4回 新型コロナウィルス終息祈願「能声楽奉納」オランダのために
日時:2020年12月7日(月)19:00-19:20(日本)11:00-11:20(CET)
場所:オランダ王国大使館 / コンセルトヘボウ リサイタルホール
曲目:馬場法子「ハゴロモ・スイート」
出演:青木涼子(能声楽・東京)ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団メンバー(弦楽四重奏団・アムステルダム)馬場法子(作曲・ローマ)
アーカイブ動画:https://youtu.be/EDqKapGVgSQ