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2025.11.15-23 望⽉京作曲ミュージック・シアター《おてんば》オランダツアー

1年半ぶりにオランダの美しい街、デン・ハーグに戻ってきました。
6月にアムステルダムで初演した望⽉京作曲ミュージック・シアター《おてんば》を11月にオランダ4都市でツアーを行います。17世紀に平戸に実在した日本とオランダの混血女性、コルネリア・ファン・ナイエンローデと架空の現代インドネシア人女性、キラナ・ディア。時空を超えて出会った二人の女性の対話を通して、植民地主義、ジェンダー、アイデンティティといった現代社会においても普遍的なテーマを深く掘り下げた新作です。
本作品はアムステルダム国立美術館Rijksmuseum(ライクスミュージアム)に展示されている17世紀のヤコブ・コーマンの絵画「ピーテル・クノール、コルネリア・ナイエンローデ、その娘たちと2人の奴隷召使の肖像」を題材にしています。私はこの絵に描かれている⽇本⼈とオランダ⼈を両親にもつ⼥性コルネリア・ファン・ナイエンローデを演じます。本番の前日に全体リハーサルを行いました。6月以来久々に皆さんにお会いして嬉しかったです。4都市で公演なので、デン・ハーグに滞在して、日帰りで各都市に赴き、公演を行います。慣れないオランダの電車に一人乗って行って帰るので緊張します。まず11月15日はユトレヒト公演です。本番前に少ししか歩けなかったですが、活気ある素敵な街でした。Tivoli Vredenburgというなかなか素敵なホールでした。しかし、初めての劇場で初めて全員揃って45分の合わせだけで本番を行い、なかなかスリリングでした。11月15日20:00- 望⽉京作曲ミュージック・シアター《おてんば》@Tivoli Vredenburg、ユトレヒト、オランダ

11月18日はブレダ公演でした。ブレダはオランダ南部・北ブラバント州の町でオランダ王家ゆかりの地らしいです。早めに着いて少し街歩きしました。ベルギーに近いせいか、街並みが洗練されていて、とても美しい街でした。
前回と打って変わって大きな劇場。あまり音響が手助けしてくれない環境だったので、前に飛ばすように大きな声でみんな歌いました。この作品にもようやく慣れてきたように思います。11月18日20:30- 望⽉京作曲ミュージック・シアター《おてんば》@Chassé Theater、ブレダ、オランダ
11月22日はロッテルダム公演でした。ロッテルダムは近代建築の宝庫です。レム・コールハース設計デ・ロッテルダム(De Rotterdam)と左側はレンゾ・ピアノ設計KPNテレコムビル。
場所は有名な音楽ホール、De Doelenの室内楽のホールでした。前回と打って変わって今度は小ぶりな場所で、音響はよかったです。毎回微調整しながら演奏を行っています。11月22日20:15- 望⽉京作曲ミュージック・シアター《おてんば》@de Doelen、ロッテルダム、オランダ
翌日11月23日は、最終日のデン・ハーグ公演でした。
場所は有名な音楽ホールAmareの音楽院のホールでした。今までやった中で一番音響がよくて、やりやすかったです。この難しい作品も7回目でようやく慣れてきました。慣れた頃に皆とお別れで悲しいです。11月23日15:00- 望⽉京作曲ミュージック・シアター《おてんば》@Amare、デン・ハーグ、オランダ

作曲: 望月京
脚本: ジャニン・ブロフト
演出: ヤン・ファン・デン・ベルグ
衣装: リサ・コンノ
照明: ヘ・ウェフマン
振付: ロシャナク・モロヴァチアン
映像: ジャスパー・カイザー
出演:
コルネリア・ファン・ナイエンローデ:青木涼子(能声楽家)
キラナ・ディア: ベルナデッタ・アスターリ(ソプラノ)
ミロ: ミヒャエル・ヴィルメリング(バリトン)
指揮: 阿部加奈子
演奏: ニュー・ヨーロッパ・アンサンブル
6月からの《おてんば》ツアーはひとまず終了です。日本やインドネシアで再演の機会がありますように!ご一緒できた素晴らしい皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。たまたまオランダに戻ってらした在日本オランダ大使館のRob Anderson公使、在オランダ日本大使館の中野大輔公使、井上賢司一等書記官、藤本和江一等書記官にご臨席いただきました。
美しい街デン・ハーグとお別れして、来年の新作オペラのリハーサルのためにパリへ移動。
フィンランドの作曲家Juha T Koskinenと演出家のAleksi Barrière、フィンランドの女優Petriikka Pohjanheimoと2日間リハーサルを行いました。2日目のランチには作品の中で作曲家の馬場法子さんの曲も演奏するため、彼女も顔合わせでジョイン。どんな作品になるか今から楽しみです。
お陰様で、実りの多いオランダ、フランス滞在となりました。