• 2013年3月 4日
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  • 2013年1月11日
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  • 2012年12月31日
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talk & concert 2012-2013

card.gif  1950年代以降、日本の伝統音楽を素材に使った現代音楽は数多く創作されてきました。特に能楽を素材として扱った作品は、1959年から77年にかけて、武満徹氏、湯浅譲二、一柳慧、福島和夫の作品の制作が行われましたが、それ以降の世代による作品制作は活発でないのが現状です。  
 2007年2月にトーキョーワンダーサイト渋谷にて行われた同時代音楽塾シリーズ「Voice 現代日本の作曲家と出会う 第2回目 湯浅譲二の音楽」にて湯浅譲二作曲「雪はふる」(日本舞踊のための付帯音楽。謡・観世寿夫。1972年舞台初演。その後再演なし)が初演されました。企画は好評を博し、現代音楽の最先端と能楽の精神の共通性に触れた若手の現代音楽作曲家の間に、能楽を用いた作品創りの気運が高まり、その後、青木涼子(能楽)を中心に数多くの作曲家が能楽とのコラボレーションを行っています。
 本企画では、青木涼子を中心とするensemble-no(アンサンブルノウ)が、既に国際的に活躍する若手作曲家5名に委嘱し、ensemble-noのメンバーが演奏発表を行います。2013年1月より2013年3月に渉って、5人の海外在住の作曲家を迎え、それぞれにスポットを当てたシリーズを開催いたします。1回のプログラムとしては、前半に創作過程についての作曲家のトークを行い、後半この日のために書き下ろした新曲をお届けするという構成となります。
 本企画は2010年度より港区文化芸術活動助成を受け開催して参り、2012年度でこのシリーズは3年目となります。トーク&コンサートは3年目で区切りとし、今後はコンサート形式で発表していきたいと考えています。日本の伝統文化である「能」と世界で活躍する作曲家による「現代音楽」との融合から生まれる新しい芸術の誕生をお楽しみください。
■プログラム

  •  第1回  2013年1月10日(木)19時 
           トーク&コンサート オレリアン・デュモン 
            新作委嘱
  •  第2回  2013年3月8日(金)18時30分 
           トーク&コンサート ヴァソス・ニコラウ/ストラティス・ミカナキス 
           新作委嘱 
  •  第3回  2013年3月19日(火)18時30分 
          トーク&コンサート パオラ・リヴォルシ/山口恭子 
           新作委嘱
 
■演 奏

  •  第1回、第3回 青木涼子、山根孝司(クラリネット)
  •  第2回 青木涼子、大久保彩子(フルート)、オリビエ・モーレル(打楽器)
 
■場 所

 SHIBAURA HOUSE  5F  バードルーム (港区芝浦3−15−4)

 JR山手線 田町駅下車徒歩5分 都営三田線 三田駅下車徒歩5分



■チケット

 第1回 2,000円   
 第2回、第3回 3,000円 

 公演1か月前よりオンラインチケットにて前売り開始
 ↓
 オンラインチケット
■お問い合わせ  

 オカムラ&カンパニー

 tel.03-6804-7490 (土日祝休 10時~18時)
 e-mail.info@okamura-co.com
■製 作
 
 企画 / 主催 : ensemble-no

 制作 : オカムラ&カンパニーNPO法人アルファルファ

 助成 : 港区文化芸術活動助成事業

 会場協力:SHIBAURA HOUSE



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作 曲

オレリアン・デュモン/ Aurélien Dumont

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1980年フランス北部マルク・アン・バロイユ生まれ。トゥール大学医学部にて音楽療法、リル大学で芸術美学を修了後、ケルン音楽大学で電子音楽、さらにパリ国立高等音楽院で研鑽を積む。作曲をジェラール・ペソンに師事。2012年、満場一致の首席で作曲科修士課程を修了、修了作品《秘密の閨》(試演版、脚本:小田幸子、主演:青木涼子)がサラベール財団賞受賞。同年、フランスで初めて制定された国立高等科学芸術創造探究博士課程(通称SACRe)の初代博士研究員に選抜され、異分野にまたがる新しい芸術形式の探究と創造が、2015年まで国よりサポートされる。2010年よりIRCAM(フランス国立音響/音楽の調整と探究研究所)研究員。 
音色と形式との相関の探求に主眼を置いた彼の音楽は、ディキンソン、ボルヘスなどの文学作品、詩人ドミニク・ケレンとの緊密な恊働に発想を得て、オペラ、カンタータ、バロックアンサンブル曲などの言葉を含む作品や、コンピュータを用いた電子音響作品に結実している。また、源氏物語に触発された《垣間見》(2012、アンサンブル室町委嘱作品)、能「安達原」に基づくモノオペラ《秘密の閨》(2014年完成版初演予定、フランス文化省委嘱作品)など、日本文化への強い敬意と情熱を反映した作品も多い。 
これまでに、フランス文化省、ラジオ・フランス、アルス・ムジカ音楽祭(ブリュッセル)、ペニッシュ・オペラ(パリ)、ミュルーズ交響楽団、パリ短編映画センター、武生国際音楽祭などから作品委嘱を得、リル・オペラ座、ムジカ・ストラスブール、KNMアンサンブルによるベルリンでの室内楽個展などで作品を発表する。 2013年は、ベルリン・ウルトラシャル、ミラノ・ムジカ、グラーツ・ムジーク・プロトコールなどの音楽祭での初演/再演のほか、2014年の初演に向けて、オペラ《ヴォツェック》や、リヨン・ビエンナーレのためのマルチメディア作品などの制作が予定されている。


ヴァソス・ニコラウ / Vassos Nicolaou

artist
1971年、ギリシャ、キプロス共和国生まれ。
現在は作曲家としてドイツ・ケルンを拠点に活動。ピアノ、音楽理論、音楽学、作曲法、電子音楽、管弦楽(編曲)法を、テッサロニキ大学、ケルン音楽大学、フランクフルト大学、パリ国立高等音楽院、そしてIRCAMにて学ぶ。2005年ケルン市よりベルント・アロイス・ツィンマーマン賞を受賞。2006年にインターナショナル・アンサンブル・モデルン・アカデミー(IEMA)の奨学生として参加。2007年にカールスルーエZKMのギガ・ヘルツ賞を受賞。2009年にはトーキョーワンダーサイトのレジデンスプログラムで日本に滞在した。彼の作品は、ロンドンシンフォニエッタ、アンサンブル・モデルン、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、ムジークファブリックなど現代アンサンブルグループ、またタマラ・ステファノヴィチ、ピエール=ローラン・エマールなどの著名な音楽家たちによって演奏されている。



ストラティス・ミナカキス / Stratis Minakakis

artist
1979年生まれ。地元ギリシャとアメリカ、フランスにて作曲、音楽理論、ピアノ演奏を学ぶ。彼の作品はソロ曲、室内楽、オーケストラアンサンブル曲と多岐に及ぶ。作品はPRISMサクソフォンカルテットやアルディッティ弦楽四重奏団、ストックホルム・サクソフォンカルテット、アンサンブル・カウンター、アンサンブルI/O、アテネ現代音楽アンサンブル、プリンストン大学などの時代を先駆ける団体やアンサンブルグループによって演奏されたり、新曲を委嘱されたりしている。学術分野や芸術分野で多くの賞を受賞。AggeloiⅡは武生国際音楽祭において2010年武生国際作曲賞を受賞した。また、音楽理論の分野ではヨーロッパやアメリカで講義を行い、またミルトン・バビット、エリオット・カーター、ジョルジュ・リゲティ、ギリシャの前衛音楽について記事を出版している。指揮者としては、現代音楽作曲家による室内楽やシンフォニーアンサンブルの新曲を初演している。 現在、マサチューセッツ州ボストンのニューイングランド音楽院音楽理論科の教授である。



パオラ・リヴォルシ / Paola Livorsi

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1967年イタリア・アレッサンドラ生まれ。現在フィンランド在住。1996年トリノ音楽院卒業。1999-2000年にパリ国立高等音楽院で学び、2000-2001年パリのIRCAM研究員。フランコ・ドナトーニ、ジョルジュ・リゲティ、イヴァン・フェデレー、サルヴァトーレ・シャリーノにマスタークラスで学ぶ。またカイヤ・サーリアホに1997年ヘルシンキ、1999-2000年パリにて学ぶ。1994年にコモにてConcorso Nazionale per Musica Vocale e Strumentale per Ragazzi第一位を受賞。2000年GAI奨学金を取得。2003年武生国際作曲賞受賞。これまでに、ローマのthe Foundation Adkins-Chitiの委嘱、またSaarländischer Rundfunkの委嘱を受け、クラングフォルム・ウィーンのために作曲した。彼女の曲はパリのアゴラ・フェスティバル、ヘルシンキ・ムジカ・ノヴァ、ベルリン・メルツ・ムジーク、ヴェニス・ヴィエンナーレ、ミラノ・ムジカなどで演奏されている。またベルリン・ドイツ交響楽団、アルディッティ弦楽四重奏団、ディオティマ弦楽四重奏団らの著名な音楽家たちによって演奏されている。



山口恭子 / Yasuko Yamaguchi

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1969年長崎県生まれ。1991年東京芸術大学作曲科卒業。在学中作曲を北村昭、小林秀雄、間宮芳生の各氏に師事。1997年よりドイツ・デュッセルドルフのロベルト・シューマン音楽大学にて、マンフレッド・トロヤーン氏に作曲を師事。2000年ディプロムを取得し卒業。 1898年第13回神奈川県芸術祭合唱曲作曲コンクール入選。1992年第8回現音作曲新人賞入選。2005年デュッセルドルフ市奨励賞(音楽部門)受賞。ノルトラインウェストファーレン芸術財団、デュッセルドルフ音楽堂、Dr. Karl Emil und Lilli Brugmann財団等より委嘱多数。1999年には文化フェスティバル「デュッセルドルフ・アルトシュタットの秋」の委嘱を受けオーケストラ作品「だるまさんがころんだ」を作曲。この曲は2000年、第10回芥川作曲賞にノミネートされ、その後も岩城宏之氏の指揮による京都市交響楽団やオーケストラ・アンサンブル金沢によって再演された。2003年12月にはトイピアノ作品「砂糖の雨」がCD"Das untemperierte Klavier"に収録され発売された。また2004年にはオーケストラ作品「だるまさんがころんだ」がオーケストラ・アンサンブル金沢のCDに収録、発売された。 多くの作品がe-mex neue musik ensemble、notabu.ensemble neue musik(デュッセルドルフ)、Thürmchen Ensemble(ケルン)、175East(ニュージーランド)、De Ereprijs(オランダ)、新日本フィルハーモニー交響楽団、山形交響楽団、東京シンフォニエッタ、Ensemble SoNoR(アゼルバイジャン)、Het Nederlands Fluitorkest(オランダ)等の演奏団体により、アジア音楽祭1998(台湾)、ガウデアムス音楽週間1999(オランダ)、第14回ニーダーザクセン音楽祭2000(ドイツ)、第7回国際ユースミュージックフォーラム2001(ウクライナ)、ミュンヘンビエンナーレ・クランクシュプーレン 2008(ドイツ)、ADEvantgarde 2009(ドイツ)、ミュージックフロムジャパンフェスティヴァル 2010(ニューヨーク)等のフェスティヴァルで演奏されている。また2007年5月にドルトムントで、2008年9月にはデュッセルドルフ(デュッセルドルフ音楽堂主催)で室内楽作品の個展が開かれた。 現在フリーの作曲家としてドイツ・デュッセルドルフに在住。



演 奏

ensemble-no(アンサンブルノウ)

2007年、青木涼子(能)を中心に設立された、能楽と現代音楽の融合を追求・実践するアンサンブルである。日本の伝統芸術である能を素材に、作曲家との共同制作を通して新しい伝統の解釈を提示しており、日本、ヨーロッパで活動を展開している。



青木涼子 / Ryoko Aoki(能謡)

artist
東京藝術大学音楽学部邦楽科能楽専攻卒業(観世流シテ方専攻)。同大学院音楽研究科修士課程修了。これまでに、湯浅譲二、一柳慧、ペーテル・エトヴェシュ、細川俊夫など世界の主要な現代音楽作曲家と共同で新たな「能」の世界を生み出す試みを実践している。今までにドイツのベルリンAsia-Pacific Weeksフェスティバル、ベルリン高等研究所、ベルリン自由大学、ボン大学、フランスのパリ国立高等音楽学院、イタリアのローマ日本文化会館、ヴィラ・メディチ、東京国際舞台芸術フェスティバル、神奈川県芸術文化財団主催アートコンプレックス、京都国際舞台芸術祭、武生国際音楽祭に招待され、パフォーマンスを行った。10年ニューヨークのクセナキス・フェスティバルに招待され、ニューヨークタイムズ紙上でも好評を得る。11年にはドイツ、ミュンヘンにてミュンヘン室内管弦楽団と共演、地元紙でも絶賛される。12年9月に、地元大分にてアルディッティ弦楽四重奏団と共演を果たした。またラジオ・フランスにて、演奏した作品が放送されるなど海外のメディアにも取り上げられている。イギリス、韓国、日本の大学において能ワークショップ講師を多数務めるなど世界で能楽の普及を行う傍ら、NHK教育テレビ、放送大学テレビに出演するなど幅広い活動で注目を集めている。


大久保彩子/ Ayako Okubo(フルート)

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オランダ・アーネム音楽院を経て、アムステルダム音楽院を卒業学位を取得。2005年よりフランス・ストラスブール国立音楽のCycle de Specialisation課程フルート科、および室内楽第5課程に在籍し、フルートを現代音楽奏者マリオ・カローリ、室内楽をアルマンド・アングステアの各氏から、指導を受ける。2008年同音楽院を最高位の成績で終了、Diplom de Specialisation 取得。現在ストラスブール在住。日本・ヨーロッパ各地においてソロ、室内楽でのコンサート活動、CD録音などに参加するなど、幅広く、活動している。2006及び2007年度ローム・ミュージックファンデーション奨学生。 2006年、現代音楽演奏コンクール"競楽Ⅶ"第16回朝日現代音楽コンクール入選。現在までに、フルートを大久保功治、小泉浩、高橋真知子、アビ・デ・クワンツの各氏に師事。



オリビエ・モーレル /Olivier Maurel (打楽器)

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ストラスブール国立地方音楽院で打楽器をエマニュエル・セジョルネに師事、Diplôme de concert (学位ディプロマ) および Diplôme de concert de percussions(マスター・ディプロマ)を取得。アンサンブルLineaの打楽器奏者、また数多くのアンサンブルと共演している。Yoshihisa Taira, Kahia Saariaho, Peter Eötvösなどの作曲家とのプロジェクトや、MUSICA(ストラスブール)やロワイヨオモン(パリ)など多くのフェスティバルに招待されている。



ゲスト出演
山根孝司 /Takashi Yamane (クラリネット)

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国立音楽大学、ベルギー王立アントワープ音楽院およびリエージュ音楽院で学ぶ。ブリュッセルのアンサンブル・イクトゥスのクラリネット奏者を経て、現在はNHK交響楽団のクラリネット奏者、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学、秋吉台現代音楽セミナーの各講師。