ぶらあぼ2014年7月号にCD評が載っています。 この記事はオンラインでもご覧いただけます。
能と現代の音楽を結びつけ、独自の響きの世界を追求している青木涼子。当盤にはハンガリーのエトヴェシュら5人の作曲家への委嘱作が収められている。能の古典だけでなく、西洋の民謡の邦訳などテクストも自在に選択。共演の器楽は、時に謡の語法をトレースし、時に対置されることにより、新たな表現の可能性を纏う。そして、青木の謡も太く豊かな声のみならず、囁きやかすれすら、表現の枠の中に。器楽が言葉のニュアンスを"音"として捉えてゆく中で、なぜか言葉そのものの持つ意味が力を増してゆくのも、実に不思議。作品により、陰影が移り変わるのも心地よい。(寺西肇)
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