1月にロンドンで、演出家Frederic Wake-WalkerとMahogany Opera Groupが開催するVarious Stagesフェスティバルに出演しました。
会場のThe Hackney Empire
私はイギリス人の若手作曲家Jamie Manによるミヒャエル・エンデ原作の『鏡の中の鏡』を基にした新しいオペラ作品
《No Devil Lived On》のワークショップに参加しました。
《No Devil Lived On》
Mahogany Opera Groupは、毎年1月にVarious Stagesを開催。演出家Frederic Wake-Walkerが1週間に1本づつ、毎週行い計4本のオペラの実験をする企画で、大変意欲的な素晴らしい試みでした。Frederic Wake-Walkerは、昨年グラインドボーン音楽祭でデビューするなど、今最も注目されている若手演出家です。今回は1週間で新作のオペラの一部をトライアウトするというもので、作曲家にとっても貴重な機会になっているようでした。
ワークショップということでどんなものかと思いきや、主要なオペラハウスで主役を歌ってきたかなりキャリアのあるベテラン歌手や、英国ロイヤルオペラハウスで役を歌っている歌手などもいて、とても勉強になりました。演出家主導のもと、即興のトレーニングを行わせたり、作曲家が新しく書いてきた曲を練習したりしながら、オペラの一部を作り上げて行きます。音楽の編成はコントラバス5本と能役者(私)、メゾソプラノ、テノール、バリトンという普通でない組み合わせで、能の謡(私)のためにも書かれた旋律もあり、日本の伝統を基とした全く新しい音楽劇の可能性を見ることができました。本物のプロダクションとして実現しますように!
オペラワークショップの最終日には小さな本番を実施しました。ディレクターやスポンサーなどを招待して、今後のプロダクションの可能性を探るためです。観客の中には著名な作曲家マグヌス・リンドベルイ氏もいて、小さい催しながら影響力の大きなものだったと思います。
今回私は文化庁の新進芸術家海外研修の短期研修の制度を使って来ました。こんな機会を与えていただけて感謝です。
Various Stagesフェスティバル全体のトレーラー
《No Devil Lived On》のトレーラー
Composer: Jamie Man
Director: Frederic Wake-Walker
Noh Performer: Ryoko Aoki
Mezzo Soprano: Jemma Brown
Tenor: Nigel Robson
Baritone: Damian Thantrey
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