日経ビジネス誌2015年12月28日・2016年1月4日号の「次代を創る100人」に選ばれています!
写真:瀬尾 泰章
私は、LEADER|逞しき指導者、047に選ばれていて、作曲家の細川俊夫さんに素晴らしい推薦文を書いていただきました。紙面では字数の関係もあり、カットされている部分もあるので、ここで原文をシェアしたいと思います。自分もまさにこのように思って活動をしているので、これからの決意表明も兼ねて。
「伝統は美しい。しかし美しいのは伝統を創ることであって、伝統に生きることではない」(フランツ・マルク)。
日本のほとんどの伝統音楽家は、すでにある過去の伝統の内側に生きることのみに固執して、その慣習の檻のなかに閉じ込められているようだ。そうした人たちが現代に向けて何かを新しいものを創ろうとすると、すぐに安っぽいポップやロック音楽に結びつき、伝統が本来持っていた気品や隠された力を薄めて再生産する。青木涼子はそうした反知性的な伝統音楽家たちとは距離を置きつつ、孤独に優れた知性と感性を世界的なアート市場によって磨きつつ、自身の立ち位置を探し求めて来た。「能」の音楽(謡)という恐ろしく深い潜在能力を秘めた芸術を世界に向けて、どのように新しく再創造できるか。それも小さな日本を超えて、真に国際的な芸術の土壌にむけて。今、多くの世界の優れた作曲家たちが彼女の活動に注目し、彼女のために新しい音楽を生み出そうとしている。そうして「能」はその奥深く秘められた花を、ようやく静かに開花させようとしている。
細川俊夫(作曲家)
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