June 2008アーカイブ

去る6月29日(日)に「-能×現代音楽- 連続講座 ②talk & concert ゲスト 桑原ゆう」を開催いたしました。 あいにくの大雨でしたが、たくさんの方にお越し頂き、ありがとうございました! 
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前半はまず作曲家・桑原ゆうさんにお話しを伺いました。 ・能楽と西洋音楽の違いについて ・自分のテーマと能楽について ・謡の作曲方法について などなどお話しいただきました。 休憩をはさんで、後半に今回のための新曲を演奏。
 
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桑原ゆう作曲「魔法人形によるヴァリエーション」(世界初演)        
青木涼子(謡)        北嶋愛季(チェロ) 

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江戸川乱歩の「魔法人形」からインスピレーションを受け作曲された作品です。 演奏後、みなさんと直接お話しする場を設けました。
 
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世界的に著名な作曲家、一柳慧先生にもお越し頂き、コメントをいただきました。 

「とても面白かった。楽譜を見たところ、桑原さんのノーテーション(記譜法)は、能楽の謡とチェロをアンサンブルさせる点で、とても考えられていると思った。日本の伝統音楽と西洋音楽の融合は、雅楽の世界などではかなり進んでいるが、能楽の世界では全く行われていないのが現状である。この試みはその突破口になるのではないか。」 


受講された方たちからもコメントをいただきました。 以下一部ですが、掲載します。 

☆青木さん 面白い授業をありがとうございました。日本語の唱法として、今後とても期待できる方法だと思います。 

☆何か試みてリンクすること。今答えを求めるのではなく、道をつくっていく作業は人に何か考えるきっかけを与えることになるでしょうね。この度の作品、私はどうじても弾き手として観ていましたが、青木さんの唄の凄みを出させるのは、チェロにもかかってるし、やりがいがありそうだと思いました。これからも楽しみにしています。 

☆能は『音楽』として解釈、分析するものなのかな~と今日の皆さんの話を聞かせていただいて素朴なハテナでした。曲そのものは私としては、とても興味深く感ずるものがありました。特に曲(音楽)がただかなでているのではなく、むしろ『うたい』に合わせ(?)て『舞っている』様に感じました。とても3次元の世界をイメージさせてもらい、目をつむっていて広がりを感じました。曲の音楽がまさに『舞』と思えました。 

☆現代音楽と能の謡が一緒に演奏されるときの工夫が聞けて面白かったです。2つのジャンルの新しい可能性が観れるような気がしました。 

☆江戸川乱歩のなつかしいふしぎあやしい感じをお能のうたってすごく合うと思いました。青木さんの袴姿は格好良すぎです。どうもありがとうございました。 

☆テキストの世界、作曲家の求める世界を表すのに女流のおうたがとても合っていると思いました。女流のおうた、お能には生々しさがあり個人的には苦手なのですが、それを逆手にとって『人形になりたい、若さを求める』という女性心理を聴き手にダイレクトに伝えることができると感じました。このように新しい分野で女流である事を生かしていける企画はとても面白いと思います。チェロ素晴らしかったです。これからのご活躍をお祈りしています。 

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7月も-能×現代音楽- 連続講座 第3弾を予定しております。 追ってお知らせいたします。お楽しみに! 

Photos : 瀬尾泰章
去る5月30日(金)に「-能×現代音楽- 連続講座 ①能の音楽について」を開催いたしました。 たくさんの方にお越し頂き、ありがとうございました! お陰様で定員いっぱいとなりました。せっかくお問い合わせいただきましたのに、お入りいただけなかった方、申し訳ありませんでした。ぜひ次回よろしくお願いします。 _5306100.jpg 
授業の内容としては、まず、ざっと能そのものについての説明。 その後、能の音楽、特に謡について、実演を交えながらレクチャーを行いました。次回の能と現代音楽の融合をより深く理解するためにも、能の音楽の基礎をおわかりいただくことが必要と考え、1回目、2回目を通しでご参加いただける方を限定といたしました。 _5306089.jpg 
そのかいあってか、参加者のみなさんはとにかく熱心。 作曲家、奏者の方ももちろんいらっしゃいましたが、ほかに建築関係者、グラフィックデザイナー、雑誌編集者、ファッションデザイナー、舞台プロデューサー、学生さんと多種多様。 会場からの質問がたくさんあり、終了時間が30分もオーバーしてしまい、2時間半もお話ししました。するどい指摘もいただき、かなり建設的な議論になったように思います。 

受講された方たちからコメントをいただきました。 以下一部ですが、掲載します。 

☆スキルとしてやはりとても難しいものであることがよくわかった。それを能を深く知るきっかけとしたいと思う。 

☆かなり密度の濃いレクチャーで面白かったです。ありがとうございました。 

☆ご苦労さまでした。はじめての方たちには全部の理解は難しかったと思いますが、逆にこの様な経験はなかなかできないのでかえってこのような接触の仕方が面白く感じられたようにも思います。次回を楽しみにしています。 

☆ちょっと踏み込んでみようと軽い気持ちで拝聴しましたが、知らぬ間に足を踏み入れたのに、しまったという感じもします。ムッムッムッ 

☆能の音楽が新鮮に感じることができた。能について言葉や音などもっと知りたいと思った。 

☆能に関しては、理解が難しくゼミの授業にも悪銭苦闘していますが、今日のレクチャーはとても楽しくレポートにもためになるレクチャーでした。
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いよいよ次回6月29日(日)は作曲家・桑原ゆうさんの登場です。 
今回みなさんにお話ししたような音楽基礎を、桑原さんには昨年3ヶ月学んでもらい、その後、能の謡と西洋楽器の曲を作曲してもらいました。 その彼女をゲストに迎え、能を学んでどう感じたか?、西洋音楽との違いは?、どのように作曲を行ったか?、などなどを語ってもらいたいと思っています。 その後、この日のために書き下ろした新曲を、北嶋愛季さん(チェロ)と青木涼子(能楽・謡)の演奏でお届けします。 

次回は今回の反省を活かして、演奏後にもう少しラフに皆さんと直接お話しできる場を設けたいと思っております。 どうぞお楽しみに!

Photos : 瀬尾泰章