August 2008アーカイブ

9月2日~10日まで福井県越前市にて行われる武生国際音楽祭 (Takefu International Music Festival)に出演します。 武生国際音楽祭は作曲家・細川俊夫 氏を音楽監督に迎え、国際的に活躍する音楽家を招聘しコンサートを開くほか、演奏者、作曲家のためのアカデミーも同時に開催されます。

 私の出演予定は、9月6日(土)引接寺コンサート、10日(水)新しい地平コンサート にて、桑原ゆう作曲「魔法人形によるヴァリエーション」を謡う予定です。 また武生国際作曲ワークショップにて能楽のレクチャーも行います。

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「魔法人形によるヴァリエーション」を今回はチェロの 多井智紀さんと共に再演します。 お近くにお寄りの際には、ぜひともお越しいただけますよう、よろしくお願いします。

Photos : 瀬尾泰章
_8233623.jpg フランスの作曲家・Claire-Mélanie Sinnhuberさんにお会いしました。 
彼女はフランス政府より委嘱を受けて、8月29日にサントリーホールで初演を行うため、日本にしばらく滞在しています。 _8233582.jpg 日本の音楽に興味があるという彼女に、私は謡を聴かせ、解説しました。 彼女は私に会う前にすでに能についてかなり勉強されていたので、驚きました。 何か新しいことができないか二人で模索中です。 今までも舞踊や映画などのジャンルと共同制作をしてきたという彼女だけに能に対する興味が人一倍あるようです。 

その後、彼女のパートナーである、Jean-Charles Fitoussi(ジャン=シャルル・フィトゥッシ)監督の映画をアテネフランセに見に行きました。 
6 films de Jean-Charles Fitoussi@Athénée Français _8233588.jpg クレール=メラニー・シニュベール 
Claire-Mélanie Sinnhuber 

パリ国立高等音楽院で作曲をフェデーレ、デュリユーらに師事。2004-05年にパリのIRCAMの作曲および新曲技術課程でルルーに師事。2004年にフランスのロワイヨモン財団の作曲コースに参加。2005-06年には、マルチ・スクリーン、3人のソプラノ歌手、エレクトロクスのための「ブレード・アフェクション」を映像作家のオーセルと共同制作を行う。2007年エネスコ作曲賞を受賞。現在コルマール音楽祭により2009年に向けて委嘱された室内オペラと、アンシペル・ド・ジュネーヴ音楽祭により委嘱されたオーセルとの新しいコラボレーション作品を準備中。 

8月29日(金)サントリーサマーフェスティバルにて、テーマ作曲家のステファーノ・ジェルヴァゾーニと共に、彼女のオーケストラ作品「クロニーク」が初演されます。皆さんぜひ世界の最前線の音楽を聴きに来てください。 



Photos : 瀬尾泰章
建築家の隈研吾さんと対談しました。ミッドタウンのサントリー美術館などを設計なさっているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。現在は表参道の根津美術館が進行中のプロジェクトだそうです。 

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場所は隈さんが設計なさった南青山にある梅窓院という美しいお寺です。

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最上階のテラスには水が張られていて、その先に都会の絶景パノラマも広がり、部屋に入った途端ため息が。

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隈さんの近年の作品は、現地産の素材、またある時は新開発の素材を使いながらも、日本的な表現がなされているのが特徴と言われています。森舞台という木造能舞台も手掛けられているということで、伝統的美学と現代美学の融合についてお話ししました。その後、身体性と空間にも話が及びました。  

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隈さんの事務所でも引き続きお話を。  

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隈さんは昨日バルセロナからお帰りになって、明日またボストンに飛び立たれるとのこと。お忙しい合間をぬっての対談となりました。 イトーキSpinaのカタログとなって、ケルンのオルガテック2008にて配布されるそうです。

Photos : 細谷忠彦

去る8月10日(日)に「-能×現代音楽- 連続講座 ③能の舞について」を開催いたしました。
たくさんの方にお越し頂き、ありがとうございました!

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授業の内容としては、初めての方もいらっしゃったので、まず能そのものについて簡単に説明しました。
その後、能の舞について、実演を交えながらレクチャーを行いました。

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参加者のみなさんは今回も熱心に聞いてくださいました。
作曲家、建築関係者、雑誌編集者、テレビ局、広告代理店、レコード会社にお勤めの方と多種多様。
今回も会場からの質問がたくさんいただきました。

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受講された方たちからコメントをいただきました。
以下一部ですが、掲載します。

★今回もとても勉強になりました。
それにますますお能に興味をもてるようになりました。演者は限りなくミニマルな表現で見る人の想像力で完成する芸術ということでしょうか。興味深い。

★分かりやすく、面白く説明していただきどうもありがとうございました。実習もしてみることによってより、理解しやすかったです。

★舞を起点に、能への視点が深まりました。能をみるためには、想像力と教養が必要だということを感じます。今後、能を鑑賞するための新たなきっかけを学ぶことができました。また次回の意欲的な企画を期待しています。

★能の舞台を是非観たくなりました。後日行きます。ポイントが少しわかりました。青木さんの舞台も楽しみにしています。次回の講義も楽しみにしています。

★今日の講義を聞き逃さないように理解しようとついていくのが精一杯でした。毎回理解しやすい説明で助かりますが、深くて情報量も多く、ほんとついていくのが精一杯でした。

★能は何度か観た事がありますが、睡魔におそわれてしまうことが多く、こういう機会があると、見る視点ができていいですね。たった2時間で基本が分かりやすく伝わってよかった。見る側の想像力を補うような講座が今後もあるといいなと思います。

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今回は伝統的な能楽についてのレクチャーでしたが、今後作曲家と共同で新しい舞の創造をこの講座でお見せしたいと計画しています。お楽しみに!


Photos : 瀬尾泰章